校歌探訪 渡名喜村立渡名喜小中学校


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 フクギ並木に瓦屋根、心地よい海風。通学路の白い砂を踏みしめ渡名喜小中学校(金丸利康校長)に通うのは、幼稚園を含め31人の子どもたち。来年100回を迎える水上運動会など、独自の伝統を引き継ぐ同校の校歌には、自然豊かな島への誇りや広い世界へ飛び出す決意が歌われる。
 1889年3月1日、村の番所の一室で渡名喜尋常小学校は開校した。同校の「創立百周年記念誌」によると、開校当初に校歌の記録はない。ただ、1928年に校長として赴任した故長堂嘉順氏が作詞した「名も喜ばし」が記念誌に掲載されており、桃原又一さん(85)ら70代以上の村民によると、かつてはこの歌が学校歌だった。沖縄が日本に復帰した72年、体育館の建築と校歌の制定が「祖国復帰記念」の目玉事業として取り組まれた。48年から渡名喜小学校の第16代校長も務めた故比嘉松吉氏が作詞し、現在の校歌が出来上がった。