米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事の現状を把握するため、来沖している米ジュゴン訴訟米国側原告団ら7人は29日、県庁に富川盛武副知事を訪ねた。
生物多様性センター(CBD)のピーター・ガルビンさんは「県やジュゴンにとって極めて厳しい状況」ではあるが、来年5月の差し戻し審理に期待を寄せた上で「新基地建設の阻止に向け、連携して闘い抜こう」と呼び掛けた。富川副知事も「皆さんの活動は非常に心強い」と述べ、協働を確認した。
10月にジュゴン訴訟は連邦地裁での差し戻し審理が確定したことを受け、今回、CBDのメンバーや人権弁護士らが来沖した。辺野古の現状を把握し、本国の弁護士らに最新情報を共有することで次の裁判に備える構えだ。
ガルビンさんは一行の中には米国先住民で、自決権を巡る諸問題に熱心な活動家も含まれていることを紹介し、沖縄県民と先住民が直面する問題の類似点の多さを指摘した。
その上で「県民の皆さんは一人ではないということ知ってほしい。一緒に知恵を出し合い協力して闘いに勝とう」とエールを送った。
富川副知事は辺野古新基地建設に関する訴訟に触れ、「非常に複雑だが、知事は撤回を含め断固としてノー」の姿勢であると強調し、「多次元的に判断したい」と述べた。【琉球新報電子版】