沖縄県の翁長雄志知事は30日、同県名護市辺野古の新基地建設の石材海上搬入に伴う国頭村奥港の使用許可について「今後公益が侵害されるような場合には、許可取り消しを含む重大な決意で臨む」と述べ、許可条件が守られなければ取り消しを検討する考えを明らかにした。
東京都内で開かれた全国知事会の会合後、記者団に語った。県はこの日、奥港から石材を搬入する業者に指示書を送り、許可条件の順守を求めた。仮に今後条件に反した場合、許可の取り消しを検討する。
取り消しを判断する時期のめどについては「今後、地域住民の公益が侵害される形で再び奥港が使用された場合」と説明した。28日には奥区の糸満盛也区長らが県庁を訪れ、奥港の使用許可の即時取り消しを求めた区民総会の決議文を県に提出していた。
県によると、奥港の使用に関して県に提出された許可申請には、国頭村の同意書が添付されていた。村の同意条件として、地域住民の理解を得ることや、住民生活に悪影響を与えないことなどを挙げていた。一方、地元の奥区民が奥港の使用に反対していることから、現段階でこの条件が守られていないと判断し、指示書を出した。
県がいったん許可を出したことについて翁長知事は「周辺地域の生活環境が侵害されたことは本意ではない」との認識を示した。その上で「政府は区民の切実な思いを受け止め、地域の生活環境に重大な悪影響を及ぼすような奥港の使用をやめるべきだ」と使用中止も求めた。