平和願い折り鶴6000羽 愛知の岩城さん、チビチリガマへ


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チビチリガマに折り鶴をささげる岩城美智子さん(左)ら=11月29日、読谷村

 【読谷】少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマで11月29日、愛知県大府市から訪れた岩城美智子さん(58)ら3人が、折り鶴6千羽をささげた。折り鶴は岩城さんが愛知県の商業施設前で呼び掛けたり、友人に協力を求めたりして、50人以上が協力して完成させた。岩城さんは「鶴を折るくらいしかできないが、少しでも沖縄の方の力になれればと思う」と話した。

 立ち会ったチビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長(63)は岩城さんらに感謝を伝えた。またチビチリガマで起きた「集団自決」(強制集団死)の悲劇などについて語り、「互いに平和をつなぐ懸け橋になり、世代を超えて平和を願おう」と呼び掛けた。

 チビチリガマでの器物損壊事件を報じる新聞記事に触れた岩城さんは「“世代を結ぶ平和の像”が破壊された1987年に続き、沖縄の人がまた傷つけられた」と感じたという。すぐに「千羽鶴を届けよう、沖縄とつながって戦争を止めよう」と、愛知県名古屋市の街頭などで協力を呼び掛けた。岩城さんは「多くの若い方が足を止めて協力してくれた。与那覇さんからチビチリガマの話を直接聞けて良かった」と話した。