読谷のトリイ基地で米兵降下訓練 オスプレイ、目的外使用


この記事を書いた人 大森 茂夫
オスプレイからロープで降下する兵員=4日午後4時ごろ、読谷村の米軍トリイ通信施設(読谷村役場提供)

 【読谷】沖縄県読谷村の米軍トリイ通信施設で4日、米海兵隊のMV22オスプレイから兵員が降下する訓練が確認された。オスプレイは着陸帯から10メートルほどの低空で空中停止飛行の状態でロープを垂らし、兵員が3回にわたって十数人ずつ地上に降りた。村内でオスプレイからの兵員の降下訓練が確認されたのは初。村への事前通告はなかった。読谷村の石嶺伝実村長は「あってはならないことで残念だ。憤りを感じる」と述べた。

 米軍はオスプレイ配備前、日本政府に提出した環境レビューの中でトリイ通信施設のヘリ着陸帯は訓練用でなく、物資輸送や緊急時に使用する「管理着陸帯」と区分している。だが、今年に入り3、4月にトリイ通信施設で物資のつり下げ訓練が確認され、10月にも都屋沖で海軍のヘリが人員のつり下げ訓練を実施した。

 オスプレイは普天間飛行場所属の海兵隊機だが、兵員は陸軍との見方もある。村は、訓練を職員が目視で確認。今後、関係機関に抗議する予定。村企画政策課の新垣和男課長は「トリイ基地でのオスプレイの訓練が恒常化しないか懸念している。トリイ基地は訓練施設ではなく、訓練すべきではない」と述べた。