反対市民情報、市が開示要求 宮古島陸自配備巡り


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 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画に反対する市民団体が下地敏彦市長に計画中止と面談を求めたことに対し、市側は6日までに、市民団体に規約や全構成員の名簿、住所の提出を文書で求めた。市によると、全構成員の氏名と住所を求める法的根拠はないという。市民団体は同日、市に「公権力による不平等な取り扱いを排除する自由権を侵害している」などと抗議文を提出した。憲法に詳しい沖縄大の仲地博学長は「憲法が保障する表現の自由や参政権、結社の自由を侵害しかねない文書だ」と指摘した。

 要請したのは、市内在住の六つの市民団体や個人でつくる「ミサイル新基地いらない宮古島住民連絡会」。11月に各団体の代表者名を記した要請文を市へ提出したが、市は要請への回答はせずに「組織の構成および構成員の居住の有無を確認する必要がある」と文書で名簿や住所などを1日、求めた。

 市秘書広報課によると、大半の面談希望者には求めていないが、一部は規約や名簿などを求めることがある。市担当者は「住民連絡会と名乗っているので、本当に住民の人なのか確認したいとの市長の意向を受けた対応だ」と説明した。

 6日、市民らは市役所平良庁舎を訪れ抗議文を長濱政治副市長へ提出した。メンバーの清水早子さんは「半年以上前から市長の面談を希望しているが一回も会おうとしない。今回の回答は人権侵害だ」と訴えた。

 仲地学長は「市長に見解に求めるならば住所を明らかにせよとは表現の自由の侵害だ。自由に政治に対して発言できる参政権の根幹を侵すことにもなりかねない」と語った。