【沖縄】障がい者用のアイテムをもっとおしゃれに、もっとかっこよく―。バリアフリーネットワーク会議の就労継続支援B型事業所「sorato(ソラト)」(沖縄市照屋)が作成する、車両用の福祉ステッカーがじわり人気を広げている。車いすに乗る人をイメージした障がい者のシンボルマークに、紅型(びんがた)やシーサーなどカラフルな「うちなーデザイン」を取り入れ、観光客が手に取ることも多い。
カラフルなデザインのステッカーは、ソラトの利用者でグラフィックデザイナーの瑞慶山良さん(24)=うるま市=を中心に考案した。ソラトは2014年4月の開所から「デザイン力を生かす」ことを事業所の特徴としている。車いす利用者も多いことから、当事者のニーズをつかんだものづくりも強みの一つだ。ポスターやオリジナルTシャツの受注生産などを請け負う。
製作作業では障がい者用商品の選択肢を広げるため、オリジナル商品も手掛ける。そこで注目したのが、車いすに乗る人をイメージし、青地に白のデザインで知られている障がい者のシンボルマークだった。
紅型模様は青、黄、ピンクの3種があり、ハートマークやエイサー柄などもある。デザインは利用者みんなで相談した。瑞慶山さんは「若者から年配の方まで幅広い人に使ってほしい」と笑顔を見せる。
1枚700円(税抜き)で、磁石、吸盤、シールがあり、恩納村の「おんなの駅」、うるま市の「海の駅あやはし館」、那覇空港バリアフリーツアーセンターで販売する。月50枚以上を販売するが、観光シーズンは売り上げが伸びることから、沖縄柄が観光客の注目を集めているようだ。高齢者や赤ちゃんが乗っていることを表すステッカーもある。
管理者の喜納功二さん(29)は「シンボルマークはこれまで一つの選択肢しかなかった。でも使う人はもっとオシャレをしたい。かっこいい商品を作り、これらが使えることを障がいを持ってる人の特権にしたい」と力強く語った。(長嶺真輝)