離れずに末永く 「縁起物輪っぱ」制作 木くり抜き、沖縄県内初技法


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中山義隆石垣市長(左)に「縁起物輪っぱ」を贈呈する田場由盛さん=22日、石垣市役所

 【石垣】八重山の伝統行事「アンガマ」で使用される面を約60年作り続けている田場由盛さん(85)=石垣市平得=がこのほど、縁起物として直径10センチほどの5~6本の輪を継ぎ目なくつなげた新作の木工品「縁起物輪っぱ」を制作した。22日、石垣市役所に中山義隆市長を訪ね、同作品を贈呈した。

 1本の木をくりぬいて制作する作品で、田場さんによると、沖縄県内初の技法。輪の数は基本的に5本で、「いつの世までも末永く離れない」との思いを込めた。輪が6本の作品もあり「福禄寿(ふくろくじゅ)」の意味を持たせている。素材には主に加工しやすいデイゴの木を使用する。制作には13時間ほどかかるという。

 市が10月に開校した、島の素材や手仕事を再発見する市民講座「石垣みらいカレッジ」での講演に触発されて考案した。

 田場さんは「試行錯誤し完成させた。結婚式の贈り物などで使ってほしい」と話した。

 「縁起物輪っぱ」は2018年から販売を開始する。18年3月4日のみらいカレッジ修了式では、色づけされた作品が展示・販売される予定だという。