琉球王国遺構旧水路、考古学会が保存要請 県土建部「検討したい」 


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上原国定土木整備統括監(左手前)に「首里当蔵旧水路」の保存を要請した沖縄考古学会の當眞嗣一会長(右手前)ら=27日、県庁

 沖縄考古学会(當眞嗣一会長)は27日、那覇市首里地域の県道29号線の街路整備で発掘された「首里当蔵旧水路」遺構の取り壊し計画を問題視し、県土木建築部と県教育庁を訪れて遺構の保存と活用を求める要請書を手渡した。要請後、県土木建築部道路街路課は水路の保存について「要請もあったので、検討したい」と話した。

 県立埋蔵文化財センターは明治時代以前に造成されたと分析している。県土建部は龍潭と県道の段差を補強する擁壁を造るため、水路を記録保存して取り壊す方針で進めてきた。今回発掘された水路は約60メートル。本年度は、来年1月末まで県立埋蔵文化財センターが調査し、来年3月までに約20メートル程度を取り壊して擁壁を支える柱を打ち込む計画。

 要請文では遺構の保存状態を「極めて良好」とし、「戦前の遺構がこれほど大規模かつ良好な状態で確認されたのは奇跡的」と強調する。その上で、遺構保存・活用のための十分な検討と、埋蔵文化財に配慮した首里地区の再開発計画の構築を求めている。

 要請には同学会の當眞会長や後藤雅彦事務局長ら5人が参加。「遺構はこれまでの先人たちが壊さないできたものだ。移築や記録保存でない保存をしてほしい」などと求めた。要請を受けた平敷昭人教育長は「教育庁としては、何らかの保存ができればという立場だ。要請の趣旨を踏まえて、関係機関と協議していきたい」と述べた。上原国定土木整備統括監は「教育庁と協議して、残せるものは残していきたい」とした。