【名護】菅義偉官房長官は29日、名護市内のホテルで米軍普天間飛行場の移設先に近い名護市の久辺3区長や米軍北部訓練場のある東村長、同村高江区長、国頭村長と相次いで会談した。東村の伊集盛久村長は「ヘリパッド(ヘリコプター発着場)の停止を求める。住民に配慮してほしい」と要望した。高江区の住宅地に近いヘリパッド「N4」の使用停止と訓練の自粛を初めて求めた。
伊集村長によると菅氏は「検討したい」と述べた。会談後、高江区の仲嶺久美子区長は報道陣に対して、「10月の事故もあった。集落上空を飛ばないでほしいと要望した」と語った。
久辺3区長との面談では、菅氏は辺野古移設について「政府としては最高裁の判例に従って工事を進めている。皆さんの生活環境の保全や地域の振興に関し、政府としてはできる限りの配慮を行ってきた」と述べた。
嘉陽宗克辺野古区長は冒頭発言で、直接交付金について「2018年度の予算が確保されたことに感謝したい」などと語った。会談後、3区長らは記者団の取材には応じなかった。
会談に先立ち菅氏は、名護東道路を視察した。工事中の世冨慶~数久田間約2・6キロについて、完成を1年半前倒しして、21年夏までに完成させるよう関係省庁に指示した。
国道58号沿いにある「道の駅許田」の信号を撤去し、沖縄自動車道(高速道路)と接続させる。また、名護東道路の伊差川から先の延伸についても、調査を始めることも指示した。【琉球新報電子版】