「沖縄旅行をすてきな思い出に」 ウェルカムんちゅ 前泊姉妹、体験談入賞


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄を訪れた外国人観光客と触れ合う中で体験したエピソードを県民から公募した「ウェルカムんちゅ体験談」で、前泊選香(えりか)さん(32)、李世子さん(25)、明利(あかり)さん(23)の3姉妹がそろって入賞した。選香さんは困っている外国人を助ける意思があることを示すお手製の缶バッジをかばんに付けており、観光客のサポートに積極的な“ウェルカムんちゅ姉妹”が誕生した。

ウェルカムんちゅ体験談を姉妹で受賞した(左から)前泊李世子さん、選香さん、明利さん=27日、県庁

 3人の体験談は112件の応募の中から入賞した19作品に選ばれた。

 長女の選香さんは飲食店で見掛けた台湾人家族客とサラリーマンの交流の様子をまとめ「トキメキ話」部門で最優秀賞を受けた。台湾人客の娘が泣きやまず、困っている様子を見るやいなや、サラリーマンが近くのお店でサーターアンダギーを購入し「オキナワンドーナツ」と女の子にプレゼントして場を和ませた話をつづった。選香さんは「私たちのちょっとした声掛けが沖縄旅行をすてきな思い出にするパワーを持っている」と声掛けの大切さを語った。

 三女の明利さんは「オモシロ話」部門で最優秀賞を受けた。回転ずし店で他人が注文した皿を取ろうとした外国人を明利さんの母が身ぶり手ぶりで注意。皿を取るルールや注文方法を懸命に伝えたパワフルな母の姿を切り取った。明利さんは「外国人客はマナーが悪いと決めつけず、ルールを教えることで互いに気持ちよく過ごせる沖縄になる」と期待した。

 次女の李世子さんは中国人女性2人が那覇から宿泊先の恩納村にたどり着くまでを紹介し、直通の路線バスの最終便が出て困る2人を李世子さんが一歩手前の読谷村まで連れて行ってタクシーに乗せたほか、友人の協力を得てホテルにチェックイン時間を変更してもらうなど“ウェルカムんちゅ”リレーの広がりを表現した。「道を聞かれて分からなくても観光案内所の場所を教えるなど、誰かにつなげることも大きな手助けになる」と語った。