米軍ヘリ、3連休に不時着2度 高級リゾートから250メートル 沖縄県は全機飛行停止要求


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ホテル近くの一般廃棄物最終処分場敷地内に不時着したAH1攻撃ヘリ=8日、沖縄県読谷村儀間(提供)

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に所属するAH1攻撃ヘリコプター1機が8日午後4時45分ごろ、同県読谷村儀間の一般廃棄物最終処分場の敷地内に不時着した。県警によると、乗員2人を含めてけが人はおらず、機体の損壊は確認されていない。2日前の6日には、同飛行場所属のUH1Yヘリが、うるま市伊計島の海岸に不時着したばかり。次から次に発生する米軍機のトラブルに県民の反発は必至で、県は日米両政府に対し、在沖米軍の全機種総点検と飛行停止を求める方針だ。

 米軍は県の問い合わせに対し、不時着したAH1ヘリを9日に離陸させ、普天間飛行場に戻すと答えた。

 現場は比謝川行政事務組合の敷地内。大型リゾートホテルのホテル日航アリビラの敷地からも、約250メートルの距離だった。

 県警などによると、不時着したAH1ヘリは普天間飛行場から訓練のため離陸。嘉手納基地に着陸するも、再び離陸した後、機器の異常を示す警告灯が点滅したことから「予防着陸」したという。同機種は、昨年1月にも伊計島の農道に不時着している。

 現場に駆け付けた石嶺伝実読谷村長は、報道陣に「極めて異常な事態が起きている」と語気を強めた。読谷村は午後9時15分から村役場で緊急会議を開き、今後の対応を話し合った。村議会は10日以降に臨時会を開会し、抗議決議と意見書を可決する予定。

 県には事故から約1時間後、沖縄防衛局から連絡が入った。在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は8日夕、富川盛武副知事に電話し、「大変申し訳ない」と謝罪した。

 相次ぐ事故を受け、富川副知事が9日に沖縄の防衛、外務の両トップに抗議するほか、米軍当局も県庁に呼んで抗議する方針。10日には上京し、日本政府に抗議する予定だ。新里米吉県議会議長と仲宗根悟県議も現場を視察した。