「県民の思い全く存在しない」 軍特委で県知事公室長 「基地運用厳しくなる」と警鐘 午後に抗議決議案審議


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
相次ぐ米軍ヘリ不時着を受けて開かれた県議会米軍基地関係特別委員会で説明する県の謝花喜一郎知事公室長=11日午前10時15分すぎ、県議会

 県議会米軍基地関係特別委員会(仲宗根悟委員長)は11日午前から委員会を開き、県の謝花喜一郎知事公室長を呼んで相次ぐ米軍ヘリ不時着への対応を審査した。謝花公室長は、ハリス米太平洋軍司令官が不時着について「安全な場所に降ろす措置に満足している」と発言したことに「そこに県民の思いは全く存在しない。そういう認識なら安定的な基地運用も厳しくなると今回もさらに強く申し入れた」と批判した。

 午後は意見書案と抗議決議案について審査する。

 委員からは「沖縄全域が訓練区域になっている」などと米軍の運用の在り方に批判の声が上がった。

 謝花公室長は、外務省の話として「弾薬を装備してない米軍機はどこでも飛べるとのことだった。それでは何のための訓練空域か疑問を発したが、明確な答弁はなかった。航空法の適用がないという地位協定の問題もある」と答えた。

 その上で「イタリアは訓練の管理権はイタリアの方にあり、飛行再開もイタリアの司令官の許可がないとできないということが情報としてある。そういったことがまず必要ではないか」と日本側に管理権がないことの問題点も指摘した。

 さらに謝花公室長は「緊急着陸などを米側は事故と認識していないようだ。県民は不信感を持っていて、この溝がどうしようもなく埋められないでいる」と米軍と県民の認識の隔たりを憂えた。【琉球新報電子版】