グアム政府、枯れ葉剤で米提訴へ 翁長知事が協力意向


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 【グアム=仲井間郁江】グアム政府が、米軍による枯れ葉剤(エージェントオレンジ)の散布・投棄問題について、米連邦政府を相手取り提訴を検討していることが12日までに明らかになった。グアムのエディ・カルボ知事が面談した翁長雄志知事に明らかにした。

 県によると、グアム政府は、米軍が1960~70年代のベトナム戦争で使用した枯れ葉剤が、グアム島内の米軍基地や周辺で散布または投棄された疑いがあるという。カルボ知事は翁長知事に対し「米連邦政府を訴えるつもりで弁護士を雇った」と説明したという。

 翁長知事はカルボ知事に対し、沖縄でも米軍の有毒物質を含んだドラム缶が地中から発見されるなど、環境汚染問題が起きていることに触れ「ご一緒してやってもよいくらいの気持ちだ」と述べ、協力する意向を伝えた。

 2017年1月のグアムの地元紙「パシフィック・デーリー・ニュース」によると、米軍はグアム選出のボルダリオ下院準議員(民主党)に17年1月、「グアムで米軍によるエージェントオレンジ(枯れ葉剤)の使用事実はない」と説明したという。しかし、退役軍人らがグアム基地内での枯れ葉剤の散布や運搬を証言していることから、カルボ知事は水や土壌の汚染実態などの調査に着手した―と報じている。