ひきこもり相談1228件 16年開設沖縄県支援センター


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 沖縄県が2016年10月に開設した「ひきこもり専門支援センター」への相談件数は、開設から1年となる17年9月末までに延べ1228件に上った。相談対象となったひきこもり当事者は222人で、そのうち7割超が男性だった。支援センター関係者は「外に出られず苦しんでいる人はもっといるはず。抱え込まずに相談してほしい」と呼び掛けている。

 厚生労働省は、09年度からひきこもりに特化した支援センターの設置を推進しており、昨年10月時点で全国74カ所にある。設置が遅れていた沖縄でも、南風原町の県立総合精神保健福祉センター内に開設された。

 相談があった延べ1228件の内訳は、家族が788件、本人が277件、市町村など関係機関が156件、知人などその他が7件。電話や面談、家庭への訪問、同行支援を実施した。

 支援を受けているひきこもり当事者は、男性161人、女性57人、性別不明4人。男性が多いことについて、総合精神保健福祉センターの宮川治所長は「外に居場所がないと、男性は女性より目立ってしまう。実際の男女比はもっと差が小さいのではないか」と分析する。

 年代別では10代以下が39人、20代44人、30代57人、40代49人、50代22人、60代以上3人、年齢不明8人。当事者のうち、10年以上ひきこもっているのは少なくとも49人だった。

 30代が最も多かった理由について、宮川所長は「60代になって退職した親が、わが子の問題を焦り始めて相談するケースが多かった」との見解を示した。

 また「傷を癒やすため、ひきこもりが必要な時もある」としつつ、社会との関係が断絶して生きづらくなることを懸念。「日本では家庭内の問題だと捉えられがちだが、社会問題だ」と支援の必要性を強調する。

 支援センターへの相談は無料で、平日午前10時~正午、午後1~4時に受け付けている。相談や来所予約は(電話)098(888)1455。(前森智香子)