沖縄県の2016年農業産出額は11年比で28・1%増加し、伸び率で全国1位になった。全国平均の伸び率は同11・6%で、県内農業の成長率は全国平均の約2・4倍となった。商品生産を目的にした販売農家1戸当たりの生産農業所得は、16年に過去最高の388万円となり、全国8位だった。農林水産省の生産農業所得統計などを基に県農林水産部が16日までにまとめた。
県の農業産出額は11年の800億円から5年連続で増加し、最新の16年は1025億円で、21年ぶりに1千億円の大台に達した。総産出額から経費などを差し引いた生産農業所得も21年ぶりの規模となる500億円を記録した。
品目別では、サトウキビと肉用牛が大きく伸びた。11年比でキビは83・9%(99億円)、肉用牛は62・5%(85億円)増加した。県は主な要因として、キビは「増産プロジェクト」による生産基盤の整備や、生産技術の普及などの成果が上がったこと、肉用牛は畜舎の整備や肉質向上の取り組みを挙げた。
産出額の伸び率は、2位の宮崎県が11年比で23・9%(16年産出額3562億円)、3位の茨城県が同19・7%(同4903億円)、4位の北海道が19・5%(1兆2115億円)だった。沖縄は年平均で5・1%増加し、5%を超える伸び率は沖縄が唯一だった。