ソフトテニスの第23回全沖縄高校選手権大会が20日、名護市営庭球場で行われ、那覇西同士の対決となった男子決勝は稲福蓮音・山田裕也組が4-3で與那嶺晃大・當山魁也組を下し、優勝した。女子は嵩原咲輝・當銘柚組(那覇西)が4-2で金城佳奈・金城紬女組(名護)を破って、栄冠を手にした。
◇稲福・山田組 同校対決制し達成感 先輩に全国飛躍誓う
那覇西同士の対決となった男子決勝はファイナルゲームにもつれ込んだ。2年生の稲福蓮音・山田裕也組が、先輩の與那嶺晃大・當山魁也組に勝利して、下克上を果たした。山田は「先輩との最後の大会でしっかり向かっていった。勝ててうれしい」と達成感あふれる表情で語った。
試合序盤から後衛の稲福がコースを突くストロークで相手の陣形を崩し、前衛の山田が相手のいない場所へボレーを決めて得点を重ね、あっという間に3-1と勝利に王手をかけた。
しかし、ここから與那嶺・當山組が先輩の意地を稲福・山田組に見せた。絶妙なタイミングでの當山のボレーや、與那嶺の強烈なフォアがコートにたたき込まれ、3-3と追い付いた。
ファイナルゲーム前に稲福と山田はもう一度、自分たちの役割と動きを確認し、コートに入った。山田がボレーで返せば、當山もボレーで返し、ラリーでも稲福と與那嶺が打ち合った。稲福・山田組が得点を重ね、最後は稲福の強烈なフォアで前衛の當山の横を抜いて、勝負を決めた。大会2日前から練習し始めたという與那嶺と當山は「先輩の意地は見せられた。(今の那覇西なら)九州、全国でも戦える」と表情は晴れやかだった。
昨年の県高校総体で優勝し、九州新人大会では2位と結果を残し、那覇西のエースとして期待される稲福と山田。高校での集大成となる2018年最初の大会で幸先のいいスタートを切った。稲福は「沖縄では負けられない。九州で優勝、全国でも上位を狙っていきたい」と飛躍を誓った。(屋嘉部長将)
◇実力者破り栄冠 嵩原・當銘組
昨年8月から組む嵩原咲輝・當銘柚組(那覇西)が決勝で実力者の金城佳奈・金城紬女組(名護)を4-2で下し、頂点に立った。
個人戦で県高校総体を2連覇した金城紬と、昨年の新人大会決勝で敗れた金城佳のペアを相手に、嵩原と當銘はそれぞれの役割をこなした。後衛の嵩原は深いコースへのストロークで粘り、前衛の當銘は相手の動きを読んだ上での位置取りを意識した。
第1セットは先制されたが第2、3セットと連取。その後も要所で當銘のボレー、嵩原の厳しいコースへのフォアが決まり、粘る相手を突き放した。
3年生引退後に組み始めて、NTT西日本杯の優勝も経験した。今年は最終学年となり、目指すは九州、全国の舞台だ。當銘と嵩原は「個人戦も団体戦も優勝できる力はある。今年は全ての試合の最初から、エンジン全開でいきたい」と力強く語った。