戦争被害、国の責任どう判断 南洋戦訴訟23日判決


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 サイパンやテニアンなどの南洋諸島やフィリピンで戦争被害を受けた沖縄県出身者と遺族ら45人が、国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の判決が23日午後2時、那覇地裁(剱持淳子裁判長)で言い渡される。

 国は戦傷病者戦没者遺族等援護法で軍人や軍属などは援護してきたが、原告ら大部分の一般住民への補償は実施していない。原告側は「救済措置の差別だ」と指摘する。戦後補償の問題に裁判所はどう向き合うか判決が注目される。

 提訴から4年5カ月がたつ。原告側は、太平洋戦争は国による戦争行為で南洋諸島などが戦地となり、住民に被害が及ぶことが分かっていたとして国民保護義務違反があるなどと主張する。日本兵が住民を殺傷した逸脱行為もあり、国は不法行為への責任があるなどと訴えてきた。原告はそれぞれ、1100万円の損害賠償を求めている。

 国側は戦争当時は国家賠償法施行前で、賠償責任はないとする「国家無答責の法理」などの主張を展開し、請求棄却を求めている。