生徒たちが自らテーマを設定し、調査、研究する「探究」の科目を取り入れている沖縄県立開邦高校で16日、文科探究発表会、理数探究発表会が開かれた。2年生の生徒たちが約10カ月かけて研究したことを発表した。
「理数探究」では数学、生物、物理、化学の各教科の知識を基に自分たちの興味を持ったテーマについて研究した。
「廃棄オクラの再利用法」について研究したグループは、濃度100~85%の刻みオクラの抽出液を餅にたらし、水分蒸発量を測定。95%が最も水分蒸発量が少なく、保水力が高いと結論づけた。製品化に向けてはきつい臭いを除去することが課題だとした。
甲斐文優女(あやめ)さん=2年=は「一から仮説を立て、そのためには何が必要かというのを考えるのは、これから大学に進学しても必要な力だと思う」と手応えを語った。
「文科探究」では外国人観光客のリピーター獲得、ブラックバイト、沖縄の貧困による子どもの孤立など社会課題について取り上げた。「ブラックバイト」について取り組んだグループは県内の大学生200人にアンケートを実施。現状に不満を抱いている大学生は少ないが、多数の大学生が不当な扱いを受けている現状や労働基準法などの知識を学ぶ機会が少ないことなどを浮き彫りにした。
喜舎場牧子教諭は「実際に話を聞いたり、現場を見たりしたことで生徒たちに多くの気付きがあり、成長につながった」と話した。