沖縄の空き家7市町村1672戸 未調査27市町村、対策法対応遅れ


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治

 空き家増加が問題になる中、沖縄県内で戸数調査を終えた7市町村に空き家が少なくとも1672戸あり、粟国村では503戸のうち、空き家が253戸に上るなど、特に離島や過疎地域で深刻な問題となっていることが31日までに琉球新報の取材で分かった。人口増加率が全国トップの沖縄でも空き家問題に直面しつつある。しかし残り34市町村では戸数が明らかになっていないため、全県的な実態把握には至っていない。

 空き家数が多かったのは那覇市で473戸、宮古島市で486戸、大宜味村で約260戸だった。

 県内全41市町村に本紙が電話取材などで確認した。このうち、これまでに空き家調査に着手したのは14市町村。うち名護市や石垣市など7市町村は、戸数が確定していない。多良間村は本年度中の実施を目指す。18年度に調査を予定しているのは、宜野湾市や沖縄市など7市町村。

 15年2月に施行された空き家対策特別措置法に基づき、「空き家等対策計画」の策定を予定しているのは、那覇市や名護市など7市村あった。

 人口減少を背景に増加する空き家は、管理が行き届かず景観や防災面で周辺に悪影響を与えるなど各地で問題となっている。

 県住宅課は3月までにモデル地区を選定して調査し、空き家対策での課題を抽出する。

 空き家の利活用事例集や「特定空き家」の判断基準や所有者特定のマニュアルなどを作成する。その後は市町村に配布して市町村の対策を促す。

 空き家法施行で、自治体は空き家の調査や指導、さらには適切に管理されず周囲に影響を及ぼす「特定空き家」に対し行政代執行が可能となった。

 同法8条では、対策に取り組む市町村に対し、県は情報提供をするよう努めなければならない旨が記載されている。(砂川博範)