名護市長選・立候補予定2氏 政策アンケート(下)医療・子育て・教育


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「無料化」範囲に違い/基幹病院整備、共に「促進」

 琉球新報社が28日告示、2月4日投開票の名護市長選の立候補予定者に実施した政策アンケートでは、3選を目指す現職の稲嶺進氏(72)=社民、共産、社大、自由、民進推薦=と、新人で前市議の渡具知武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=に、医療や子育て、教育などに関する見解を聞いた。併せて市民に訴えたいことも、自由意見として示してもらった。

 深刻な医師不足を抱える北部地域の医療環境については、327床の県立北部病院と、200床の北部医師会病院があり、診療科も重なることで医療提供体制が分散している。県は両病院の統合を進め、基幹病院を整備する方針だ。

 稲嶺氏、渡具知氏とも、北部地区の基幹病院の整備促進を掲げている。その上で、稲嶺氏は「500床の機能と、多様な病気への対応、安心して生み育てられる地域貢献の病院を求めていく」と掲げる。渡具知氏は「高度な医療が受けられる体制を優先事項として整備したい。厚生労働省など国に直接働き掛けていく」と答えた。

 子育て・教育環境については、両氏とも、子育てや教育にかかる負担軽減、無料化を打ち出し、共通する部分が多い。無料化を目指す対象範囲で、違いが表れた。

 稲嶺氏は「中学卒業までの医療費無料化を、病院窓口支払いがなくなるよう取り組む」と回答。さらに「返済のいらない名護市独自の奨学金制度を創設する。学校整備では特別教室へのクーラー設置や楽器購入など、さらに教育環境を充実させる」とした。

 渡具知氏は「子ども医療費は高校生までの窓口払い無しを実現したい。保育料、学校給食費、教材費の無料化、修学旅行費の負担軽減にも取り組む」と強調。さらに「公園への安心して遊べる遊具の設置や、教育では中高一貫校の誘致を推進する」と答えた。

 子どもの貧困対策については、稲嶺氏は「現在は入学後の9月に支給している『新入学児童生徒学用品費』を、入学前に支給する。学校給食費の補助を拡大させる」と公約。渡具知氏は「支援員の拡充や子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりに取り組む。子育て支援策や親の経済的負担軽減は貧困対策にもなる」とした。
(’18名護市長選取材班)