名護市長選 両候補者の横顔


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 4日投開票の名護市長選は現職の稲嶺進候補(72)と新人の渡具知武豊候補(56)が激しい選挙戦を繰り広げている。両候補の素顔に迫ろうと、趣味や好きなスポーツなど、幅広い項目について質問した。


◆稲嶺進候補/子どもの見守り日課

 

<どんな人?>

 1972年に名護市役所入りし、総務部長、収入役、市教育長を歴任。2010年の市長選で初当選。5歳のころ父親を亡くし、山で取ったまきを売るなどして家計を助けた。市長就任前から10年近く、毎朝自宅近くの小学校前で交通安全指導を続けている。

<信条・語録>

 稲嶺氏は、市長2期8年の間、常に子どもを政策の中心にしてきたとし、子育て環境のさらなる充実を訴える。辺野古新基地について「海にも陸にも新しい基地は造らせない」との公約を堅持する。

 「未来を担う子を育てる大人の責務として、子ども、若者が安心・安全に暮らせる街をつくらなければいけない」―子どもを政策の柱とする理由について(23日、総決起大会で)

 「応援を力に変えて。作った人の思いも入ってるからね。今日も完食」―(30日、事務所で女性部お手製の必勝ゆで卵を食べて)

妻・律子さん 「涙もろく裏表ない人」

 

 裏表のない性格で、家庭でも公務中と変わらない。体力もあり、マラソン後でも筋肉痛一つしない。頑固だが、涙もろい一面も。集会でも込み上げる涙をこらえていたりする。極貧の中で育ち、小学生の頃から働いてきたので、自立する大切さと人の温かさをよく知っている。子どもにも「人を大切にしなさい」と話している。植物を育てるのが好きで、働き者。アイロンがけや縫い物など家事も得意。「基地で栄えても裏には人の犠牲がある。自分の人生を置いておいても、基地建設を止めなくてはいけない」と2人で話している。


◆渡具知武豊候補/組織のまとめ役得意

 

<どんな人?>

 許田生まれで中学時代は軟式テニスで2年連続県大会優勝を成し遂げる。名護高では応援団長を務め、そのリーダーシップで名護市議会の自民系会派、礎の会会長も務めた。子どものころ憧れた職業は調理師で、好物はかつおの刺し身やつけ麺など。

<信条・語録>

 渡具知氏は5期務めた市議の経験を生かし、経済振興や子育て・教育支援、福祉の充実などを訴える。米軍普天間飛行場の辺野古移設については「県と国が係争中なので、その経緯を注視する」としている。

 「若い人やお年寄りまで、みんなが幸せに暮らせる地域に発展させたい」(28日、辺野古区での街頭演説で)

 「支持者が多くなる中で感じる責任は日々、大きくなる。最近の睡眠時間は4時間半。考える時間が多くなった」。―候補者の決意と重圧について(30日 瀬嵩区での演説後)

妻・由利子さん 「子に一途で笑い好き」

 

 とても思いやりがあり、家族が信頼している人。昨年6月、高校生の娘の部活動を応援するためにマイクロバスの免許を取った。仕事柄、土曜日と日曜日に地域の行事に参加することも多いが、可能な時に部活の送迎もやっている。芸人、志村けんさんが大好き。出演するコント番組を満面の笑みで見ている。外出して、番組を見逃しそうな時は「志村けんの番組を録画しておいて」と電話がかかってくる。名護市議時代は忙しい時も子育てを積極的に手伝ってくれた。当選して、名護市を輝く街にしてほしい。