Q.明るい性格でないとダメ?
今日はいろんな学年の人から、性格についての質問です。
「なんで性格ってあるんですか?」(小学4年)
「前の席の人が『性格が明るくなった方がいいよ』としつこく言ってきますが、明るくなったら何がいいのか分かりません」(小学6年)
です。
A.“慎重”は、自分守る大事な対応
まず、性格の意味を整理しましょう。人の物の見方や考え方、好みや感じ方のくせはそれぞれ違います。そういう違いの特徴や傾向を性格と呼んでいます。だから、性格は誰にでもあるものです。
性格は遺伝の部分もありますが、周りの人から何度も言われたり、周りの人の行動を見たり、さまざまな経験をしてつくられていく部分も大きいです。だから、人の物の見方や考え方・好み・感じ方のくせは自分で変えられる部分もあります。このとき大事なことは、自分で納得して変わりたいと思って変わることです。自分で決めて良いのです。
自分が変わる必要を感じていないのに、周りからしつこく言われるときは、私を主語にするI(アイ)メッセージを使って「私のことを気にかけてくれてありがとう。でも、私は変わりたいと思ってないよ」と伝えていいですよ。
明るい性格ということについてですが、前向きな性格やポジティブな性格などの言い方もよく使われます。先のことを明るく考えられないと悪いことのように言われますが、それは間違っています。つらい経験、悲しい経験をたくさんすると、今度も危ないことが起こるかもしれないと想像して、慎重に物事を進めるようになります。
それから、同じ人でも状況によって違ってきます。体調が悪いときは自分を守る力が弱くなるので、慎重に物事を進めるようになります。他にも、助けてくれる人がそばにいるかどうか、環境が安全かどうかなども影響してきます。
ということで、自分を守るための大事な対応が性格の一部をつくっています。だから、私は、そういうことを暗いとかネガティブと表現する人が少なくなったら良いなといつも思っています。
徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。
心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。
新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。