辺野古、振興に審判 両候補最後の訴え 名護市長選きょう投開票 5日未明大勢判明


この記事を書いた人 大森 茂夫
(左)打ち上げ式で支持を訴える渡具知武豊氏=3日午後5時半ごろ、名護市城(右)必勝大集会で支持を訴える稲嶺進氏=3日午後6時ごろ、名護市大北

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題を最大の争点とする名護市長選は4日に投票、即日開票される。辺野古阻止を訴える無所属現職の稲嶺進氏(72)=社民、共産、社大、自由、民進推薦、立民支持=と、建設を推進する政府が推す無所属新人の渡具知武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=が立候補している。最終盤まで横一線の接戦を繰り広げ、選挙戦最終日の3日は最後の訴えを行った。市長選の結果は、安倍政権が進める辺野古移設作業にも大きな影響を与える。5日午前0時ごろに大勢が判明する見通しだ。期日前投票者数は6日間の合計で過去最多の2万1660人となり、有権者の44・4%に達した。

 1996年に辺野古が移設先に浮上してから、6度目となる市長選。昨年4月に辺野古沿岸で護岸工事が着手されてからは初めての審判となる。市の活性化に向けた振興策なども争点となる。

 稲嶺氏は名護市大北での必勝大集会で「子どもたち、名護市の未来のために危険な飛行場は絶対にいらない。名護んちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー(名護の人をないがしろにしないでほしい)」と訴えた。

 渡具知氏は、名護十字路での打ち上げ式で「2期8年間の現市政で、われわれ名護市民は取り残された。それを皆の力で戻していこうではないか。街の発展、市民生活の向上のため頑張っていく」と呼び掛けた。

 市議補選(欠員1)も同時に行われる。

 投票は市内17の投票所で4日午前7時~午後8時。これまで投票所となっていた名護小は、当日に創立135周年記念式典があるため大北小に変更される。開票は午後9時から市民会館で。

 当日有権者数は4万8781人(男性2万4025人、女性2万4756人)。


基地はいらない~稲嶺進氏

 新基地ができると名護市がどんな状況に追い込まれるか。朝から晩まで低空飛行で爆音をまき散らして、頭の上、学校の上を飛び交う状態が簡単に想像できる。子どもたちの、名護市の未来のためにも危険な飛行場は絶対にいらない。

 相手候補は辺野古が唯一と言っている政府に支援される。結果(行く末)は見えている。4日の選挙は、これからも名護市を、沖縄県を、そして子どもたちの未来を自分たちの力で勝ち取るんだと示すチャンスだ。稲嶺進勝利でこれが市民の答えだということを日米両政府に突きつけよう。

 稲嶺 進氏(いなみね・すすむ) 1945年7月17日生まれ、72歳。市三原出身。宜野座高校、琉球大卒。72年から名護市役所勤務。総務部長、収入役、教育長を歴任。2010年の市長選に初当選。座右の銘は「一隅を照らす」。妻と1男1女。


生活向上させる~渡具知武豊氏

 当初は不安で始まった。その不安がだんだん自信につながり、皆さんの力を結集して一致することができた。名護の街をどうにかしないといけない、変えようという、この一つなんだ。2期8年の現市政において名護市民は取り残された。みんなの力で戻していこう。この街の発展のために全力を尽くし、市民生活の向上のために頑張っていく。大変厳しい選挙戦で、競り合ってるという話がある。皆さんの温かい気持ちを忘れることなく、投票箱が閉まるまで、皆さんのご協力をお願いしたい。変えましょう、名護市を。

 渡具知 武豊氏(とぐち・たけとよ) 1961年8月12日生まれ、56歳。市許田出身。名護高、第一経済大(現・日本経済大)卒。自営業を経て、98年から名護市議を連続5期。市長選は初出馬。座右の銘は「為せば成る」。妻と1男2女。


 

《2月4日投開票 2018名護市長選のまとめ》 立候補2氏アンケート、政策比較表、人となりは?


 

<開票状況と解説を本紙HPで中継~午後9時から>

 琉球新報社は4日午後9時から名護市長選挙の開票状況や解説を本紙ホームページ(https://ryukyushimpo.jp/)とフェイスブック、ツイッターの動画中継でお伝えします。開票場の名護市民会館からは開票状況に関する情報もツイッターで随時発信します。