沖縄県の翁長雄志知事は5日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を進める安倍政権が支援した新人が勝利した名護市長選の結果について語った。辺野古の新基地建設問題への今後の対応について「3年前の知事選で(自身が辺野古反対を)公約に掲げ10万票差で当選した。各種選挙でも(辺野古移設)の民意は示されている。私がこれ(辺野古反対)をベースにやっていくことに何ら変わりない」と述べ、引き続き建設阻止の公約を堅持していくとした。県庁で記者団の質問に答えた。
埋め立て承認の撤回方針についても堅持する考えを示したが、撤回時期については「法的な意味合いを考えながら検討していきたい」と述べるにとどめた。
政府が支援した渡具知武豊氏の当選を受け安倍晋三首相が5日「名護市民に感謝したい」などと発言したことに知事は「国は沖縄が最初に出した民意を尊重してきたのか」と疑問を呈した。
その上で「知事選、衆院選、参院選で(辺野古反対の)民意は出たが政府はそれを一顧だにしなかった」と指摘。「民意のとらえ方は、首相が胸を張って言えるようなものではない」と述べ、政府与党支援の候補者の勝った選挙結果が出た時のみ、地元の意向を尊重する姿勢を示す国を批判した。