大学入学金と授業料を全額支給 那覇市が独自の給付型奨学金


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 那覇市は、経済的な理由で大学進学が困難な生徒を支援する市独自の給付型奨学金を創設する。沖縄県内大学への進学希望者が対象で、入学金と授業料の全額を支給する。2019年に入学する学生から導入する予定で、予算案を2月議会に提案する。大学進学者への奨学金全額支給は県内初。

 市生涯学習課によると、支給額は入学支度金として1人28万2千円を上限とし、授業料などにあたる就学奨学金は1人年間72万円を上限とする。予算は1014万3千円で、2月議会に提案する。

 支給される進学先は県内の国立、公立、私立大学、高等専門学校、専修学校。両親が市内在住の高校生を対象に年間10人以内に支給。支給基準になる成績の評定については、現在調整を進めている。那覇市育英会が実施している貸し付け型奨学金との併用も可能だ。

 給付型奨学金については、県が県外の大学進学者を対象に始めているが、県内は対象になっていない。大学関係者などからは県内大学も対象にした奨学金創設を求める声が上がっていた。

 支給額について担当者は「県内でも授業料の高い方に合わせた」と話し、授業料などの全額をカバーできる額としている。城間幹子市長は「以前から必要性を求める声があった。那覇市として支援したい」と話した。