地毛証明・生徒の思いは? 「卒業まで我慢」「仕方ない」(那覇市内高校生100人聞き取り)


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 琉球新報が沖縄県那覇市内の高校生100人に聞き取りをした地毛証明書や校則の調査では「理解できない校則もある」など不満の声が聞かれた。一方、県教育庁は「社会が求める指導をしている」としており、生徒の思いは届いていないようだ。

 調査に答えた1年生の女子生徒は、水泳の練習で使うプールの水に含まれる塩素の影響で髪が脱色されたため、地毛証明を出している。「生徒指導の先生に証明書を出しても、他の先生から指導される。出しても意味がない」と怒りを隠さない。多くの学校では「生徒の情報を共有し、不要な染髪指導をしないため」と地毛証明書を実施しているが、機能していない実態をうかがわせる。

 地毛が灰色っぽいために、証明書を出している2年女子の学校では制服に関する指導はないが、染髪指導はある。「首から下と上で指導を分ける意味が分からない」と疑問を呈する。

 縮毛のために証明書を出す1年女子は、地毛が茶色っぽい友人に触れ「中学校時代に地毛証明がなく、何度も指導されて嫌な思いをしたと話していた。先生との信頼関係を築くために、地毛証明は仕方がない」と語った。

 地毛証明以外にも、高校では服装などが指導される。生徒からは「校則は学校が勝手に決めている」(1年男子)、「指導の根拠を言える先生がいない」(2年女子)などと疑問が上がる。「卒業まで我慢するしかない」(2年女子)と諦めの声もあった。

 ある高校では、以前の生徒総会で校則の改善を求める声が多く上がったという。1年女子は「学校は生徒が訴えても、要求を認めなかった。諦めている」と肩を落とした。