程順則の300年前の杯、京都にあった 近衛氏に献上


この記事を書いた人 志良堂 仁
程順則が約300年前に江戸時代の公家・近衛家煕に献上した杯「孔林楷杯(こうりんかいはい)」(京都市の陽明文庫所蔵)

 久米村生まれの儒学者・程順則(名護親方)が、江戸時代の公家・近衛家煕に献上した杯「孔林楷杯」(こうりんかいはい)とそれにまつわる漢詩、また程順則や政治家の蔡温が近衛家別邸の「物外楼」に寄せた書「物外楼記」(ぶつがいろうき)が、京都市の公益財団法人陽明文庫に約300年間保存され、現存していることが分かった。県教育庁が9日、発表した。

 楷杯は26センチ×21・5センチで、内側に金泥が塗られている。「楷盃記」2巻、「物外楼記」2巻と共に保管されていた。
 県教育庁文化財課史料編集班の外間みどり主幹は「当時の一流の文化人である近衛家煕と、程順則や蔡温との緊密な文化交流の様子をうかがうことができる」と今回の発見の意義を説明した。【琉球新報電子版】