キングス振り切る 滋賀に70―66 Bリーグ第35戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、26勝8敗)は10日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズ(同4位11勝23敗)と今季第35戦を戦い、70―66で競り勝った。

 ハッサン・マーティンを右足の肉離れで欠く状況となったキングスだったが、ヒルトン・アームストロングやアイラ・ブラウンがゴール下で得点すれば、岸本隆一や古川孝敏らが外から3点弾を沈め、新加入の平岩玄も攻守でリバウンドを奪い、ゲームを有利に進めた。しかし第2、4Qは激しい守備などでチームファウルが5つとなり、攻守で積極性を欠いた。その中で滋賀の並里成らに追い上げられるも最後は振り切った。

 キングスの次戦は11日午後6時5分から、沖縄市体育館で滋賀と戦う。

キングス 27勝8敗
 70―66(24―14,16―22,18―8,12―22
滋賀 11勝24敗

 【評】キングスは第1Qからアイラ・ブラウンやヒルトン・アームストロングが豪快なダンクシュートを決めると、岸本隆一らが外側から3点弾を沈め、点差をつけた。しかし第2Qにはパスミスなどで得点が止まり、滋賀に追い上げられた。第3Qは激しい守備が戻り失点を8点に抑えるも、疲れから足が止まり始めた第4Qにはチームファウルも5つとなり、攻守で積極性を欠いた。滋賀に再び追い上げられたが、逃げ切った。

◆11日も厳しい試合に

 佐々宜央HCの話 けがでハッサンがいない中で勝てた結果は良かったと思う。平岩の活躍はすごくポジティブな明るい話だが、今後マークが厳しくなる。11日も厳しい試合になる。

◆第1、3Q失点が多く

 ショーン・デニスHC(滋賀)の話 とても素晴らしい試合内容だったが、第1、3Qの失点が多く、改善していく必要がある。

◆初出場・平岩が存在感 ゴール下で体格生かす

琉球―滋賀 リング下で強さを見せ、シュートを放つ平岩玄=10日午後、沖縄市の沖縄市体育館(中川大祐撮影)

 特別指定選手としてキングスに加入したばかりの平岩玄(東海大2年)が、ファンから大きな拍手と指笛で出迎えられ、第1Q途中から出場した。198センチの長身をゴール下で生かして積極的に大柄な外国人選手らとマッチアップ。攻守でリバウンドを奪った。出場時間は11分27秒。4リバウンド6得点に「大学にはない独特の雰囲気で緊張したが、プレーできて良かった。声援がすごくて最高です」と笑みがこぼれた。

 Bリーグの初舞台。第2Qには岸本隆一が金城茂之へパスをつなぎダブルチームを組まれると、ここしかないというパスを送られた平岩がしっかりシュートを決めた。岸本主将は「チームで決められた動きを攻守で最も遂行したお手本のようなプレーをしてくれた」と新顔の活躍を喜んだ。

 今後、各チームからのマークが厳しくなることが予想される。それでも「挑戦者なので試行錯誤して臨んでいきたい」と平岩に慢心はない。

 「アマチュアにとってプロのユニホームを着ることは特別なことで身が引き締まる」と語る平岩。「キャリアの中で恵まれた環境でプレーできている。新しいレベルでバスケができる一歩を踏み出せた日になった」。全ての経験を成長につなげられる若者が、チームにまた一つ、新しい風を吹かせそうだ。

(屋嘉部長将)