嘉数さん(琉球芸能実演家)新人賞 松尾芸能賞 古典に新風、活動評価


この記事を書いた人 琉球新報社
受賞について「周囲の皆さんに支えられてのことだ」と感謝する嘉数道彦さん=15日、浦添市の国立劇場おきなわ

 舞台芸能で大きな実績を残した者や将来を期待される者を表彰する第39回松尾芸能賞の受賞者が15日発表され、沖縄県内から琉球芸能実演家(宮城流能里乃会師範)で国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦さん(38)が舞踊部門の新人賞に選ばれた。県内からの松尾芸能賞受賞は1983年の照喜名朝一さん(特別賞)、2003年の佐藤太圭子さん(優秀賞)に続き3人目。

 琉球舞踊、組踊などの演者として活躍しながら数々の新作組踊・歌舞劇などを発表し、琉球芸能に新風を吹き込んでいることが評価された。嘉数さんは「師匠や他流派の先生、皆さん方に見守られ、周囲の仲間も一緒になってやってきたことに対しての賞だと思う。感謝している」と語った。

 嘉数さんは初代宮城能造、宮城能里両師匠に師事。県立芸術大大学院を修了し、2013年から国立劇場おきなわ芸術監督。

 大賞は歌舞伎役者の坂東玉三郎さん。贈呈式は3月28日、東京都の帝国ホテル東京で開かれる。

 松尾芸能賞は松尾芸能振興財団が文化・芸能の保存・振興を目的に1980年に創設。幅広い分野を対象とし過去の新人賞受賞者には歌手の松田聖子さん、女優の松たか子さんらがいる。