ドローン規制見送り 基地周辺 政府、文書で注意喚起


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防衛省や国交省が出した「注意喚起文」

 【東京】防衛省などは20日、米軍基地の上空や周辺での民間ヘリや小型無人機ドローンの飛行について、重大事故につながる可能性があるとして注意喚起する文書を各出先機関などへの掲示を始めた。ただ、基地周辺を飛行するドローンなどを規制する法律はないため「法令違反に当たる場合があります」との表現にとどまっている。

 米側は沖縄県名護市辺野古の新基地建設現場周辺などでドローンが米軍ヘリコプターの進路を妨害しているとして、日本側に規制を求めていた。防衛省幹部は「米側の求める重要要求の一つ」と指摘していた。

 政府は2016年に米軍機の運用を航空法の規定から除外する「航空法特例法」の施行令を一部改正し、米軍基地周辺のたこ揚げに対して、民間航空機と同じく罰則を適用することを閣議決定していた。

 そのため政府は、ドローンなどを対象に米軍基地上空の飛行を規制する関係法令の改正を検討した。ただ、国会への法案提出は現状では困難となり、注意喚起することになった格好だ。

 法令違反については威力業務妨害などが想定されている。国交省担当者は「ケースバイケース」としている。