約束破る“良き隣人” 米軍第二小上空飛行 保護者ら不信、政府にも


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普天間第二小学校上空を飛行した米軍ヘリMH60の同型機

 【宜野湾】“良き隣人”を掲げる米軍が、普天間第二小学校の上空を「最大限可能な限り避ける」と約束をしたにもかかわらず、同校上空を飛行したことに、保護者や市民からは失望の声が上がった。米軍に対し、日本政府から強い対応を求める意見もあった。

 6年生の長男が普天間第二小に通う宮城智子さん(48)は「真上じゃなければいいという問題でもない。監視員を置いても安心して授業できる環境じゃない」とため息をついた。米軍は1月の上空飛行も否定しており、日米間で見解は平行線のままだ。「守らなくてもいい約束だと思われている。もっと地域や県全体で声を上げなければならない」と力を込めた。

 「普天間飛行場を米側に提供する日本政府の責任能力にも問題がある」と政府の対応を疑問視するのは、子どもの生活を支援する普天間居場所づくりプロジェクトの赤嶺和伸代表(64)。政府が積極的な対応策を取らないことに憤りをみせた。

 普天間門前まちづくり期成会の柏田吉美理事長(84)は「日米両政府がもっと真剣に協議する場をつくらないと、問題は解決しない」と訴える。事故後、学校には監視員やカメラが設置されたが「政府はどこまで宜野湾市民の気持ちを理解して、米側に働き掛けているのか」と疑問視した。

 市教委幹部は「学校は児童が安心して学ぶ場所なので落ち着いた環境で学ばせたい」と語った。別の幹部は「残念としか言いようがない」とため息をついた。