羽ばたけ、町民劇団 町おこし、11日旗揚げ公演 沖縄・南風原


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稽古に励む劇団「海」のメンバーら。本番を控え稽古に熱が入る=南風原町本部

 【南風原】南風原町民らでつくる劇団「海」の旗揚げ公演「飛べ若人!夢をつかめ」が11日、沖縄県南風原町立中央公民館黄金ホールで開かれる。18世紀後半に「羽ばたき機」を考案し、世界で最も早く空を飛んだとされる「飛び安里」をテーマにした「南風原町ヒーロー脚本賞」を舞台化した作品だ。年齢も職業もさまざまな10代から70代の団員らは「南風原を盛り上げたい」との熱い思いで、本番に向け稽古を続けている。

 「飛べ若人!夢をつかめ」は、中学時代に大好きだった野球で挫折した男子高校生が「飛び安里」の演劇上演を通して、諦めかけていた夢と再び向き合う物語だ。

 町喜屋武出身のお笑い芸人・仲座健太さん(41)が団長、町職員と芸人の二足のわらじを履く大城明範さん(26)が副団長を務める。昨年7月にオーディションを実施。3カ月間の基礎練習で、仲座さんが団員一人一人の個性に合った役を当てはめた。

 台本を読んだときに気に入った女子高生役を演じる学生の我那覇由莉さん(21)=那覇市=は以前から舞台に興味があったという。「『海』があったからこの世界に踏み込めた。いい舞台にしたい」と初舞台へ意気込みを見せる。

 主人公の幼なじみを演じるアルバイトの玉城舞歩(まいむ)さん(18)=南風原町=は「演じることが楽しい。もっと役に入れるようになりたい」と話す。最年少の山城乙音さん(14)=南風原中学校2年=は演劇初挑戦。それでも「先生に反抗する生徒役で、いつもと真逆な自分になれる」と、演じる魅力を感じている。

 劇団名には「県内で唯一海のない南風原で、さまざまな人が集まる人間の『海』をつくりたい」との仲座さんの思いが込められている。

 チケットは一般千円、高校生以下500円。はえばる観光案内所または町立中央公民館で販売中。問い合わせは、はえばる観光案内所(電話)098(882)6776。