別府から「恩返し温泉」 熊本・大分地震義援金 浦添の高齢者「いい湯だ」


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別府市の長野恭紘市長(左端)と足湯を楽しむグループホームの利用者ら=2日、浦添市前田の「前田の家」

 2016年4月の熊本・大分地震で被災し、全国から支援が寄せられた大分県別府市が「別府温泉の恩返し」と銘打って、同温泉の湯を全国各地に届けている。大分県を除く46都道府県で最後となった沖縄県にも熱々の湯が届き、2日、浦添市のグループホームなどで給湯された。お年寄りらが足湯を楽しみ「気持ちいい」と顔をほころばせた。

 同市観光課によると、16年4月の地震後8日間で、推定11万人分の宿泊キャンセルが発生し、被害総額は13億7千万円に上った。その窮状を全国に訴えたところ、同年末には平年並みの宿泊者数に回復した。17年4月から「-恩返し」事業を展開している。

 別府の湯を積んだトラックは2日、浦添市のグループホーム「前田の家(やー)」に到着した。別府市の長野恭紘市長がビニールプールに給湯し、湯加減を調節。職員がザ・ドリフターズの「いい湯だな」を歌う中、利用者7人が足湯を楽しんだ。仲里房子さん(82)は「別府温泉に来た気分。疲れが取れた」と笑顔で話した。

 16年7月、浦添商工会議所青年部が別府市に義援金10万円を贈っていた。長野市長は「おかげさまで別府市は完全復活した」と感謝を伝えた。

 湯は2、3日の2日間、県内6カ所の施設や個人宅に届けられる。