サンゴ採捕許可が失効 県、国の延長認めず 辺野古


この記事を書いた人 大森 茂夫

 名護市辺野古の新基地建設で県は2日までに、沖縄防衛局が2月末に申請した絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ1群体の特別採捕許可の期間延長を不許可とすると決めた。1日決定し2日に防衛局へ通知した。対象サンゴの採捕許可の効力は1日で失効し、防衛局のサンゴ移植には改めて県の許可が必要。ただ県庁内では防衛局の再申請には許可せざるを得ないとの見方が大半で、今回の延長不許可が工事に与える影響は限定的なものにとどまる見通し。

 防衛局は2日、これとは別に、新基地建設工事海域内のオキナワハマサンゴ8群体とヒメサンゴ1群体の計9群体の特別採捕許可を県に申請した。

 県の不許可決定を受け防衛局は「採捕許可を再申請し、県の許可を得た上で移植に向け適切に対応する」とコメントした。

 県は不許可理由について、防衛局の2カ月間の延長申請について「期間が妥当か否か、専門家の意見を踏まえないと判断できない」と指摘し、環境監視等委員会を開催した上で申請を提出するよう求めた。

 今回、県が不許可としたサンゴは昨年7月に発見、県が2月16日に採捕申請を許可した。

 その後2月21日にこのサンゴが食害を受けているのが確認されたとして防衛局は、当初3月1日までの採捕許可を4月30日まで2カ月間延長するよう県に求めていた。