キングス快勝 大阪に78―66 Bリーグ第39戦


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第2Q、ドリブルでディフェンスを抜き去る津山尚大=2日、沖縄市体育館(中川大祐撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、30勝8敗)は2日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサ(同3位、13勝25敗)と今季第39戦を行い、78―66で勝利した。

 序盤は大阪の粘り強い守備に、キングスが内に攻め込めない時間が続いた。だが、試合が進むにつれてキングスの運動量が上回りだす。最終盤は、キングスの攻撃がうまく内外のシュートにつながり、守備も大阪のボール回しを抑えて、徐々に点差を広げた。

 次戦は3日午後2時35分から、同体育館で大阪とホーム2戦目を行う。(観客3131人)

キングス 31勝8敗
78―66(15―10,14―19,17―13,32―24)
大阪 13勝26敗

 【評】第1Qは大阪の守備に張り付かれ、内に攻めきれないキングスは外から狙ってリードした。第2Qは連係したビッグプレーもあったが、大阪の外国人選手にゴール下を攻められ、互角の展開が続く。それでも第3Qから徐々に勢いがつき始めると、第4Qに粘りの守備で大阪のファウルゲームをかわした。

◆守備をやり切れた

 佐々宜央HC(キングス)の話 大阪の守備に対する準備が足りず、点が伸びなかったが、それでも基本に守備をやり切れたのは良かった。試合内容はいいとは言えないが、劣勢で落ち込む展開を跳ね返せる個々の強さがあった。ベンチから発する選手らの声も、いつもと違う雰囲気があった。

◆強み出させた

 桶谷大HC(大阪)の談話 第2Qのインサイドアウトの攻撃でボディーブローを与えたが、第3Qから駄目なシュートにリバウンドにいって逆にやられ、守備もヘルプにいって古川に3点弾を打たれた。第4Qは立て続けに得点するキングスの強みを出させてしまった。明日はプラン通りのプレーを心掛ける。

◆攻めの姿勢で鼓舞 津山
 2月の渋谷戦でプロ初のベンチ登録外となった津山尚大が、苦しい展開を打ち破る原動力となった。

 大阪の粘りある守備に味方が苦しむ中、PGの津山は「組み立てるより前へ」と、1本目のシュートを決めた。本試合でチームが決めた25本の中の1本だが、相手守備を攻略するより、リングを狙うという一つの姿勢が味方にも広がり、後半の爆発力を生むきっかけをつくった。

 ベンチ登録外となった後も腐らずに仲間に助言を求め、有名選手の動画を研究した。「自分が落ち込んでもチームは勝てない」と、勝利だけを求め続けてきたという。佐々宜央HCに考え込む性格と言われる津山だが、考える事を取捨選択しながら「迷いの中で自分の積極性を出せる、新しい思考ができたと思います」と、自分自身の中に手応えを感じた様子だった。
(嘉陽拓也)