キングス振り切る 大阪に60―52 Bリーグ第40戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、31勝8敗)は3日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサ(同3位、13勝26敗)と今季第40戦を行い、60―52で勝利し、6連勝となった。前半は両チームともに激しい守備を展開しながらも、攻撃で攻め抜けず、ロースコアが続いた。後半に入り、キングスの縦に攻める強さがビッグプレーを生み出し、第3クオーター(Q)だけで27―7と引き離した。大阪も個人技で追い上げたが、キングスは高い守備力で振り切った。次戦は10、11の両日、愛知県豊橋市総合体育館で三遠ネオフェニックスと戦う。(観客3302人)

キングス 32勝8敗
 60―52(9―10,10―17,27―7,14―18)
大阪 13勝27敗

 【評】第1Qからロースコアの展開の中、高さのある大阪の守備にキングスは難しいシュートを迫られる。さらに、攻撃時の凡ミスから大阪に連続失点を許すなど、ムードを盛り上げられないまま、前半を19―27で折り返した。しかし、第3Qでビッグプレーが相次いで一気に逆転すると、大阪の追い上げをうまく断ち切り逃げ切った。

◆選手の気持ち強かった
 佐々宜央HC(キングス)の話 昨日の反省を詰め込みすぎて、選手を迷わせてしまった部分は自分のコーチングを反省したい。そのため、後半は基本となる縦の攻めを指示した。今日は負けてもおかしくない試合だったが、選手が気持ちを強く持ってくれた。

◆攻撃の終わり良くない
 桶谷大HC(大阪)の話 攻撃の終わりが良くなかった。ハーフコートでは抑えても、トランジションでやられてしまう。第3Qはキングスの守備に容易にパスをさせてもらえず、タフなシュートになった。第3Qだけで20点差という致命的なことになってしまった。

◆石崎 シンプルに攻め打開

第3Q ドライブで切り込む石崎巧=3日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 2日に続くホーム戦、キングスは大阪の激しい守備に対し、その打開策を考えながらプレーする重たい展開が続いた。前半を終えて19―27と超ロースコアの中、冷静に状況を見ていた石崎巧が、目の前の駆け引きからリング前にパスを送ると、ヒルトン・アームストロングが空中で受け取り、そのまま得点。シンプルかつ魅せるビッグプレーが前半までの停滞感を吹き飛ばし、第3Qに主導権を握る起爆剤となった。

 2月の渋谷戦以降、古川孝敏、アイラ・ブラウンが日本代表戦に出場、全体での練習不足もあり、2日の大阪戦も苦しんだ。その反省で臨んだが、石崎としてはまだ「選手もスタッフも考えすぎの部分があった。楽にいけば、もっとうまくやれるが、問題を100パーセント解決する美しいバスケをしようとし過ぎた」と感じていた。第3Qのプレーは「あえてチームの方向性と違う解決策を見いだそうとした」と柔軟な視点で型を崩したという。

 視野が広がったキングスは、守備の堅さを維持した上で縦に攻める強さを取り戻す。田代直希の強気なドライブやブラウンの体を張ったリバウンド、二ノ宮康平の冷静なパスワークなどで一気に畳みかけ、勝負を決めた。

 今季も3分の2を終えて、残り20試合。最終盤は強豪チームとの試合が控える。佐々宜央HCの信頼も厚い石崎は「どんな状況でも技術的な部分でクリアできるようにしたい」と強い責任感を示した。(嘉陽拓也)