[ココロ・カラダ不思議つながり]48 交際相手からのDVって?


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Q.交際相手からのDVって?

 

 今日の質問は
「付き合うとどうして嫉妬するんですか?」
「付き合っている相手の機嫌が悪くなって無視されるのは、私のせいですよね?」
「男子がいつもおごらされるのって、どうなんですか?」
 です。

 中学3年生と高校1年生のみなさんからです。

A.精神的、経済的な暴力も

 

 嫉妬は付き合っている全員がするわけではないし、人によって理由は違うと思います。その人に聞いてみないと分からないけど、「好きな人を独り占めしたい」「自分のことだけを見てほしい」と思う人もいます。気持ちは自分の中から自然に湧いてくるので、どんなものもOKです。

 でも、だからといって実際に「他の人と話さないで」「いつも自分を最優先にして」と相手に強制するのは束縛という心への暴力になります。気持ちと行動をしっかり分けて考えることが大切です。

 気に入らないことがあるときに言葉で説明せず、機嫌の悪い顔をして相手を無視したり、一方的に相手が悪いと責めるのも暴力です。いつも無視されているとだんだん自信が無くなって、自分が悪いと思い込まされてしまいます。「女子は自分の気持ちを抑えて、男子の言うことを何でも受け入れるもの。それが『女らしさ』でモテる条件だ」などと勘違いしていると、デートDVの被害に遭いやすくなります。

 いつもおごらされる、高いプレゼントを買わされるのは経済的な暴力です。もちろん自分がしたいと思っておごっている男子もいると思うけど、「男はこうするべき」という社会の思い込みを疑ってみることが、デートDVの被害に気付くチャンスです。

 付き合ったらこうするものだとか、女らしさ、男らしさの思い込みにとらわれず、嫌だと思ったら嫌と言って良いのです。自分の気持ちも相手の気持ちも大切にできる人が増えていくことが、デートDVに苦しむ人を減らしていきます。対等・平等な関係を作るには、どうしたら良いかと考え続けてくださいね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

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ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)