シンクロガール14人に 沖縄で広め大きな舞台へ 1年超で選手3倍 那覇市・波之上スイミング


社会
この記事を書いた人 大森 茂夫
発表会に参加したシンクロナイズドスイミングのメンバー=那覇市の波之上スイミングスクール

 2016年に沖縄県内で4人のみだったシンクロナイズドスイミングの選手が今年3月時点で14人に増え、活躍の幅を広げている。選手を育成するのは那覇市の波之上スイミングスクール。九州大会で好成績を残した“憧れの先輩”の背中を追って入った小中学生の新メンバーは、17年11月には団体として初めて九州3位に輝いた。選手たちは「沖縄でシンクロを広めたい」と、日々練習に励んでいる。

 14年に発足したシンクロチーム初期メンバーの那覇市立寄宮中1年の玉城結衣さん(13)と南城市立玉城中2年の片桐花菜さん(14)は、16年のジュニアオリンピック九州予選での準優勝に続き、17年には九州代表として全国規模の選手強化合宿に初参加した。全国大会の「チャレンジカップ2017」にも初出場した。玉城さんはジュニアオリンピックの全国大会出場を目標に据える。同じく初期メンバーの南風原小6年の月岡心奈(ここな)さん(12)と那覇市立垣花小6年の上原心夏(こなつ)さん(12)は、17年に九州大会であるオーロラカップのデュオで3位に入賞した。

 先輩の活躍を見て17年にシンクロチームに入った同安謝小5年の海老原美里さん(11)、同若狭小5年の佐藤はるかさん(11)、同那覇小4年の佐々木梨乃さん(10)、同天妃小4年の根間利麻奈さん(10)は、昨年11月のオーロラカップ団体で3位に入賞した。

 4人とも水深の浅いプールで演技をするダンススイミングからシンクロに転向した。練習は週2日から5日に。練習量も増えた。佐々木さんは「練習はきついけど、演技を見て褒めてもらえるとうれしい」と笑顔を見せる。佐藤さんは「シンクロをする人がもっと増えれば。楽しさを知ってほしい」と話した。ダンススイミングチームも全国大会で2年連続のジュニア賞を獲得するなど、活躍を続けている。

 選手らを指導するコーチのうち2人は元シンクロ選手。宮城知子コーチは、息子が同スクールに通っている縁でコーチになった。田中聡子コーチは定期的に通って指導する。

 1月に波之上スイミングスクールで開かれた発表会では、元日本代表の荒井美帆さんが演技を披露した。荒井さんの動きに見入っていた選手たちに「シンクロは柔軟性が大事」とアドバイスした。シンクロを指導する菊田和男コーチは「選手としての道のりはまだ始まったばかり。大きな舞台で感動を与えられる選手に成長してほしい」と期待を込めた。(田吹遥子)