地域

受け継ぐ 反戦平和 新資料館構想も わびあいの里学習会・シンポ

シンポジウムに登壇する(右から)わびあいの里の謝花悦子理事長、沖縄タイムスの阿部岳記者、阿波根昌鴻資料調査会の鳥山淳代表=3日、伊江村農村環境改善センターホール

 【伊江】非暴力で反戦平和活動に生涯をささげた故阿波根昌鴻さんの思いを受け継ぐ、沖縄県伊江村のわびあいの里(謝花悦子理事長)は3、4の両日、村農村環境改善センターで、学習会「第16回ゆずり合い・助け合い・学び合う会」を開催した。基調講演やシンポジウムのほか、村立西小学校5年生による「受け継ごう、伊江島の村踊」が披露された。参加者は故人をしのび、伊江島の歴史や文化に触れ、「平和」の学びを重ねた。

 生前、阿波根さんが残したノートや手紙、写真など1万点以上に及ぶ膨大な資料は、2002年から「阿波根昌鴻資料調査会」により調査活動が続けられている。わびあいの里は昨年12月、調査会協力の下で伊江島土地闘争の記録「阿波根昌鴻資料1『真謝日記』」を発刊した。

 学習会では基調講演として、調査会代表で沖縄国際大学の鳥山淳教授が「『島ぐるみ闘争』の源流に迫る3つの日記―阿波根昌鴻資料の活用に向けて―」と題して講話した。

 またシンポジウムでは、謝花理事長、鳥山代表、沖縄タイムス記者の阿部岳氏の3人が登壇。調査会メンバーの渡嘉敷紘子さんがコーディネーターを務めた。謝花理事長は調査会の活動や貢献へ敬意を表した上で、「阿波根の記録を残す『新資料館』を造りたい」と思いを語り、「人災である戦争というものの歴史を訴え、歴史を生かさなければいけない」と強調した。鳥山代表は、資料の中から伊江村の運動会の記録が見つかったという一例を挙げ、「(反戦平和)運動は、生活の記録としても見るべき面を持つ。阿波根さんの資料には運動だけではないというメッセージが隠されている」など記録の活用、保存の意義を語った。

 新資料館の構想について、参加者から「戦争や土地闘争という切り口だけではなく地域の方々が写っている写真などを入口にしたら(住民も)来やすいのでは」「ツイッターで阿波根さんの言葉を発信すれば言葉のアーカイブになる。協力したい」などの意見が上がった。参加者で「平和宣言」を採択し、閉会した。

 会場ロビーには阿波根さんが撮影した伊江島の人々と風景の写真25点が展示された。島袋秀幸村長からも祝辞が寄せられた。
(中川廣江通信員)



伊江島の村踊を披露する西小の5年生


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