米軍、津堅沖で降下訓練 モズク収穫期に強行 今年2度目


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水しぶきを上げて海面に着水する米軍物資=22日午後5時26分、うるま市勝連津堅島沖(具志堅千恵子撮影)

 【うるま】米空軍は22日午後5時前から、沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域で今年2度目となるパラシュート降下訓練を実施した。同5時半ごろまでに2回実施し、物資とみられる黒い物体2個、パラシュートを着けた兵士8人が降下した。市や市議会などは降下訓練実施の度に同水域での訓練中止を強く求めているが、米軍は訓練を強行している。津堅島周辺ではモズクの収穫が始まっており、訓練に対する懸念の声が地元から出ている。

 嘉手納基地を飛び立ったMC130特殊作戦機から午後4時57分ごろ、パラシュートを付けた黒い物体1個と兵士4人が降下した。作戦機は津堅島上空や沖合を数回大きく旋回した後、午後5時25分ごろ2回目の落下を実施し、黒い物体1個と兵士4人が降下した。

 津堅島訓練場水域周辺には、本島と津堅島を結ぶ定期船フェリーが航行している。3月に入り津堅島周辺でモズクの収穫も始まっており、漁船が頻繁に行き来する。うるま市は、市民の安全と安心の観点から同水域で降下訓練をしないよう求めている。1997年から2017年までに津堅島訓練場水域で確認された降下訓練は計16回。そのうち9回が17年の実施で、この水域での訓練が常態化している。

 在沖米軍基地の提供・使用条件などを定めた「5・15メモ」に基づき、米軍は沖縄防衛局を通じて訓練場水域の使用を関係機関に通知していた。

 しかし、訓練内容については明らかにせず、沖縄防衛局が米連邦航空局の航空情報(ノータム)を受け、追加で関係機関に通知していた。