キングス逆転負け 富山に62―69 Bリーグ第45戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、34勝10敗)は24日、石垣市総合体育館で富山グラウジーズ(中地区5位、18勝26敗)と今季45戦を行い、第4クオーター(Q)に逆転され、62―69で敗れた。2年ぶりの八重山開催の初戦を勝利で飾ることはできなかった。

 前半はディフェンスが機能し、優位に試合を進めた。後半に入ると相手のゾーンディフェンスにリズムを崩し、シュートミスが続いた。ディフェンスにも影響が出た結果、着実にゴールを重ねた富山に試合終了約3分前に逆転され、そのまま逃げ切られた。25日午後1時5分から同体育館で富山とホーム2戦目を行う。(観客2101人)

富山 19勝26敗
 69―62(13―17,13―19,17―11,26―15)
キングス 34勝11敗

 【評】前半からキングスはシュートに苦しんだものの、ディフェンスは有効に機能。ハッサン・マーティンの攻守にわたる貢献もあり、10点差で折り返した。だが後半は相手のディフェンスを切り崩すことができず、リズムが乱れて単純なシュートミスも連発。富山が奪った試合の流れを引き戻すことはできなかった。

◆攻守共に駄目
 佐々宜央HC(キングス)の話 非常に厳しい内容で、オフェンスもディフェンスも両方駄目だった試合だ。チーム力で崩してシュートを打つべきところで打たない、もうひと崩しするというのをしなかった。次戦はわれわれのバスケを40分間徹底したい。

◆後半の作戦奏功
 ミオドラグ・ライコビッチHC(富山)の話 第1Qだけで六つのターンオーバーはあったが、キングスはシュートに苦しんでいたように見えたので後半からゾーンを仕掛けた。それが功を奏したと思う。

◆最終盤、流れ引き渡す

 点差を詰められて迎えた第4Q。古川孝敏の3点弾などで、キングスは勢いに乗る富山と一進一退を演じた。だが試合時間が残り5分に迫ったあたりからシュートはことごとく外れ、流れを完全に富山に引き渡した。逆転後もミスを重ね、第4Qだけで26点もの失点を重ねた。フリースローを除く試合全体のシュート成功率は31・3%で、富山の45・6%を大きく下回った。

 前半から富山ディフェンスを切り崩せず苦しむ場面はあったが、ハッサン・マーティンが相手に囲まれながらシュートを沈めるなど、得点を少しずつ積み上げた。粘り強いディフェンスで富山のターンオーバーを引き出すなど「我慢しながら」(佐々宜央HC)試合を進めた。

 だが後半に入り、富山のゾーンディフェンスにうまく対応できず、前半にためた10点が切り崩されていく展開に。岸本隆一は「リードしている中で、オフェンスでもディフェンスでもアグレッシブさを継続できなかった」と悔やむ。

 2年ぶりの八重山開催での敗北に岸本は「悔しいという気持ちよりも、めったに試合がないのに勝てなかったのが申し訳ない」と声を落とす。佐々HCは「石垣の皆さんに、われわれのバスケを40分間徹底する姿を見せたい」と次戦での雪辱を誓った。(大嶺雅俊)