キングス逃げ切る 富山に92―80 Bリーグ第46戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、34勝11敗)は25日、石垣市総合体育館で今季第46戦を行い、富山グラウジーズ(中地区5位、19勝26敗)に92―80で勝利した。2年ぶりの八重山開催は、2戦目で勝利をもぎ取った。

 キングスは第1クオーター(Q)から中に切り込むプレーで富山のディフェンスを崩して得点を重ね、一時28点差をつけた。キングスがメンバーを大幅に入れ替えた第3Q途中から富山が試合のペースを握り、終盤には8点差まで詰め寄られたが、富山の猛攻をしのぎつつ要所で3点弾を決めて逃げ切った。

 次戦は28日に、サンエイワーク住吉スポーツセンター(大阪府)で大阪エヴェッサと対戦する。(観客2216人)

琉球 35勝11敗
 92―80(29―15,19―17,20―18,24―30)
富山 19勝27敗

 【評】単調な攻めに終始した前戦の反省を生かし、積極的に富山ディフェンスに攻撃を仕掛け、スタートダッシュに成功したキングス。ディフェンスでも執ようなマークで重圧を与え続け、第3Q途中で28点まで点差を広げた。終盤はヒルトン・アームストロングとハッサン・マーティンが相次いでファウルアウトし、外国人選手の高さと力強さを利用した富山に差を詰められたが、積極的な攻めと守りに徹して逃げ切った。

◆チームの形体現
 佐々宜央HC(キングス)の話 オフェンスに関して、前戦は一つのプレーでシュートを決めようというパターンが多かったが、基本的には、中に入ってパスアウトして、そこから3ポイントシュートというのがキングスの醍醐味(だいごみ)。選手が反省して、映像やミーティングでその形を理解し、体現してくれた。

◆あと一歩及ばす
 ミオドラグ・ライコビッチHC(富山)の話 第1Qでディフェンスのコントロールができなかった。最後の15分はチームとしての色を出せたと思う。ただオフェンス・ディフェンス共にあと一歩が及ばず、ゲームをひっくり返すことができなかった。

◆攻撃連動、スペース確保

 前日、最終盤での逆転負けを喫したキングスに活を入れるように、試合開始直後から「ゴーゴーキングス」の掛け声を会場に響かせた八重山のブースター。その声に押されるようにキングスは、前戦とは打って変わって次々とシュートを沈めていった。

 「連動しながら人が中に入り、それが回るのが僕らのバスケ」(佐々宜央HC)。その言葉を体現するように富山ディフェンス陣の間に切り込んで空きスペースを確保し、相手からの重圧を軽くしてシュートを放てる環境をチーム全体でつくり上げた。

 富山の反撃の芽も、粘り強いディフェンスを続けることで摘み取った。第3Q残り2分5秒でハッサン・マーティンが得点差を28点差にまで広げるダンクシュートを披露して、圧勝ムードを演出した。

 だが大幅なメンバーチェンジによりリズムを相手に渡し、それに外国籍選手2人のファウルアウトが重なって、第4Qはリードをじりじりと詰められる展開に。焦りが交じる応援がキングスに送られる中、この試合で通算4千得点を達成した古川孝敏や二ノ宮康平の3点弾などで均衡を保ち、2年ぶりの八重山開催での勝利をもぎ取った。

 24日の試合の終了後、八重山のブースターにわびた佐々HCは「今日もばたばたはしたが、最低限の勝利を届けられた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。(大嶺雅俊)