日本自然保護協会(亀山章理事長)は26日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事に伴い設定された臨時制限区域内の自然環境への影響を調査するよう県に要望書を提出した。同協会の安部真理子氏とジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹氏が県の吉田勝広政策調整監と面談し求めた。県は24日に主催したシンポジウムで、新基地建設工事を即時中止し、生態系への影響調査の実施などを求める声明を採択しており、吉田調整監は「県も声明の趣旨に沿って行動していきたい」と述べた。
安部氏は、護岸で海域が囲まれてしまえば、県内最大規模とされるジュゴンのえさ場の海草藻場が失われるとして、早急な対応を求めたほか、「日の出1時間後から日の入り1時間前まで」という海上作業の時間も守られていないとし、県による現場での確認も求めた。
護岸建設が進むK9護岸付近では以前、「個体C」と呼ばれるジュゴンが確認されてきたが、現在は確認されていない。吉川氏は「県は米国のジュゴン訴訟の利害関係者に加わるなら、工事と個体Cの関係について、懸念を指摘するなど何らかの見解を示すべきだ」と指摘した。