天皇、皇后両陛下が来県 2014年以来、天皇として6度目 与那国島を初訪問へ 


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那覇空港に到着し待ち受けていた人たちに手を振る天皇、皇后両陛下=27日午後1時33分、那覇空港(新里圭蔵撮影)

 天皇、皇后両陛下が27日午後1時半ごろ、全日空の特別機で那覇空港に到着した。来県は2014年6月以来で、天皇としては6度目。来年4月末の退位が決まっており、在位中、最後の沖縄訪問となる見通し。29日までの3日間、沖縄戦の犠牲者を慰霊するほか、日本最西端の与那国島を初めて訪れる。

 那覇空港では翁長雄志知事や新里米吉県議会議長らが出迎えた。天皇、皇后は笑顔で手を振りながら、ゆっくりと歩み寄り、一人一人にお辞儀をしてあいさつした。カメラのフラッシュが盛んに光った。

 居合わせた観光客がずらっと並び、天皇、皇后にスマートフォンのカメラを向けた。2人は立ち止まり、手を振って応えていた。空港の外では「ようこそ沖縄へ」の横断幕を持った市民らが待機していた。「日の丸」の小旗を振りながら、県南部に向かう天皇、皇后を見送った。

 天皇、皇后は那覇空港を車で出発し、糸満市の平和祈念堂と国立戦没者墓苑に向かった。現地では戦没者に花を手向ける予定で、沖縄戦犠牲者の遺族らが出迎える。

 天皇は、皇太子時代の1975年7月、初めて来県した。93年には歴代天皇として初めて沖縄の地を踏んだ。近年も対馬丸事件の遺族らと面会するなど、慰霊を重ねてきた。皇太子時代を含めると、今回で通算11回の来県となる。【琉球新報電子版】