約4年ぶりに来県中の天皇、皇后両陛下は28日、与那国島を初めて訪問された。日本最西端の碑や牧場などを視察したほか、地元の伝統芸能を堪能。沿道や視察先では延べ2700人(県発表)が歓迎し、天皇、皇后は手を振って応えた。
宮内庁によると、与那国島の訪問は天皇、皇后が強く希望していたという。
外間守吉町長の案内で、西崎にある日本最西端の碑を見学。台湾まで111キロの距離との説明を受けると、皇后が「近いですね」と応じた。天皇も台湾の方角に目を向けたが、見えなかったという。琉歌をたしなむ天皇は、碑に書かれた琉歌の一節を読み上げた。
町立久部良小学校では、地元青年会員や小学生らが伝統芸能の棒踊りを披露した。演舞後、天皇、皇后は一人一人に歩み寄り「いつから練習しましたか」などと声を掛けた。町指定天然記念物の与那国馬や世界最大級のガ「ヨナグニサン」の標本も視察した。
外間町長は「私たちは本土とは隔絶された状況にあり、文化の違いもある。そこから生まれる本土との温度差が、両陛下の与那国訪問でほとんど消えうせたように感じる」と話した。
29日は豊見城市の沖縄空手会館で空手の演武を見学後、帰京する予定。