天皇、皇后両陛下は29日、在位中最後とされる沖縄訪問の全日程を終え、那覇空港から特別機で帰京された。最終日は豊見城市の沖縄空手会館を視察した。両陛下は沖縄空手の演武を鑑賞したほか、パネル展示で沖縄空手の歴史などに触れた。
同空手会館屋外の特別道場で、県指定無形文化財保持者ら4人が沖縄空手の型を披露した。演武後、天皇、皇后は一人一人に「美しい技を見せていただき、ありがとうございます」「これからもどうぞお元気で」などと声を掛けた。
伝統の「五十四歩(ウーセーシー)」を演武した真栄城守信さん(73)は「沖縄発祥の空手の原型を見てもらい、良かった」と話した。華麗なヌンチャクさばきを披露した仲本政博さん(80)も「こうした機会は一生に一度、有るか無いか。光栄だ」と笑顔を見せた。
天皇、皇后は27日から2泊3日の日程で来県し、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑や沖縄平和祈念堂、与那国島を訪れていた。県によると、3日間で延べ約2万人が沿道や視察先で歓迎した。来県は天皇として6回目、皇太子時代を含めると11回目だった。