同じ表題2文書存在 防衛省、在沖基地共同使用巡り


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 【東京】小野寺五典防衛相は2日、共産党の穀田恵二国対委員長が衆院外務委員会で「改ざんではないか」と指摘し提示した防衛省の内部文書を巡り、同じ表題の文書が二つ見つかったと明らかにした。2文書が穀田氏の示したものかどうかについては明らかにせず、文書改ざんの意図についても「全くない」と否定した。

 見つかった文書はいずれも民主党政権時代の2012年7月に使用された「日米の『動的防衛協力』について」で、日米が沖縄県内の米軍施設を恒常的に共同使用し、陸上部隊を配置する計画に関して記載されている。

 同じ表題の文書が情報公開請求で昨年開示されているが、穀田氏は先月30日の衆院外務委員会で、開示文書にはないページや記述を含んだ同じ表題の内部文書を入手したとして「意図的に削除した公文書改ざんではないか」などと追及した。

 防衛省が指摘を受けて調査したところ、同31日に日米防衛協力課の共有フォルダから開示文書と同じ表題の2文書が見つかった。いずれも局長や大臣向けの報告用として作成されたものだという。

 文書はいずれも穀田氏が提示した内部文書と同じ16ページ。ほとんどが黒塗りで比較は困難だが、穀田氏が取り上げた内部文書と記述やレイアウトなどが酷似している。

 安藤敦史日米防衛協力課長は2日、新たな文書が見つかったことについて「探索が十分ではなかった」と釈明した。一方、穀田氏の示した内部文書と2文書が同一のものかについては「(穀田氏の文書は)防衛省が対外的に公表したものでなくお答えは控えたい」と述べた。