不条理との闘い継ぐ 新崎さん告別式 各界から1000人参列


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
多くの参列者が新崎盛暉さんに最後の別れを告げた=5日、那覇市首里当蔵町の万松院

 3月31日に亡くなった沖縄大学の元学長で同大名誉教授の新崎盛暉さん(享年82)の告別式が5日、那覇市首里当蔵町の万松院で営まれた。友人や教え子、平和運動団体の関係者ら約千人が参列し、沖縄の戦後史研究や市民運動に携わった新崎さんに最後の別れを告げた。

 長男の盛吾さんは「父は最後まで沖縄の不条理と闘い続けた。父が残したものを無にすることなく次の時代につなげていきたい」とあいさつした。

 新崎さんや故大田昌秀元知事、ジャーナリストの新川明さんと共著「沖縄の自立と日本」を出した元知事の稲嶺恵一さんは「沖縄のためにという思いが強い方だった。戦後の沖縄を考えておられる方が少なくなったのは非常に残念に思う」と述べた。

 法政大学沖縄研究所研究員の清川紘二さんは、新崎さんが著書「私の沖縄現代史」の続編の出版を希望していたことを知り「沖縄県民のためにもあと4、5年生きて、ぜひ完成させてほしかった」と惜しんだ。

 新崎盛暉平和活動奨励基金の第1期交付者であるチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「沖縄の真の平和のために行動した信念の人。事実を綿密に追求し、若手育成にも力を尽くすなど、研究者のあるべき姿を学ばせてもらった」と感謝の言葉を話した。