沖縄県知事入院、過去に4人


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 翁長雄志知事は10日に会見し、膵臓(すいぞう)に見つかった腫瘍を摘出するため、今月中に手術を受けることを公表した。5~7日まで検査入院していた翁長知事は、手術で再入院するまでの間は引き続き知事公舎で休養するが、週明けの県民栄誉賞表彰式などには自ら出席するため登庁する予定。1972年の沖縄の日本復帰以降、現職の知事が入院して公務を休んだのは平良幸市、西銘順治、大田昌秀、仲井真弘多の4氏の事例がある。

 平良氏は78年7月、全国知事会に出席する目的で上京し、宿泊先のホテルで脳血栓のため倒れた。当初は回復まで2週間の予定で、県は職務代理に野島武盛副知事を充てた。その後3カ月入院後、これ以上県政の空白を続けることはできないと判断し、知事就任から約2年5カ月で辞任した。

 西銘氏は84年4月17日に都内の病院で胃がんの手術を受けた。5月31日に県庁で帰任の記者会見を開いたが、当時は胃かいようと胆のう炎と発表され、本人にもがんであることは知らされていなかったという。

 大田氏は92年2月の県議会2月定例会開会中に風邪やめまいの症状が出るなど体調を崩して入院した。職務代理者は置かず、入院から51日後に公務復帰した。

 仲井真氏は2007年6月23日の沖縄全戦没者追悼式典に出席した直後、検査入院し、軽い脳梗塞のため緊急入院した。職務代理者を置かず、退院後の7月9日に公務復帰した。

 就任2期目の13年1月には急性胆のう炎の手術で10日間入院した。同年12月17日には上京中に都内の病院に検査入院し、手足にしびれが生じる「腰部脊柱(せきちゅう)管(かん)狭窄症(きょうさくしょう)」と診断された。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請の可否判断が注目されていた時期で、12月25日に退院すると、すぐに安倍晋三首相との会談に臨んだ。